2018年コングレス学術大会論文 ポスター掲示
「現代医学では痛みを改善することが出来ない
脳出血後遺症の視床痛が軽減しQOLが向上したケース」
安藤 玲
JPHMA認定ホメオパス No.818
ZENメソッド修得認定No.0241
日本ホメオパシーセンター旭川永山
【主訴】男性 72歳 施設入所
①視床部脳出血の後遺症で感覚麻痺や視床痛
(24時間続く右片麻痺部の針を刺すような酷い痛み)
②常に続く激しい痛みから絶望感で死にたいや殺して欲しいと言い、
生きる希望が持てなくなる
③麻痺による便秘(柔らかいのに出ず5~6日に一度、浣腸を使用)
・排尿感覚の鈍さ
【方法およびタイムライン】
<タイムライン>
出生体重 不明 男性
2歳 母が結核で死去。2歳より4歳まで祖父母に育てられる
5歳 継母が連れ子(姉)をつれ再婚
16歳 親元を離れ下宿
20歳 十二指腸潰瘍
47歳 中間管理職になる
48歳 酒席で上司に八つ当たりをされ、突然殴られる
51歳 妻より1年遅れで昇進、上級管理職なるがこの一年は同業者の妻と
の比較を常に受け屈辱感が続く
62歳 左視床部脳出血で右側片側感覚麻痺と視床痛発症
72歳 施設で車椅子の生活になる
※2011年よりレメディーを摂り始めるが2017年まで改善が見られず一進一退
を繰り返す。
この間、神経再生のサポートを繰り返し長い年月をかけ神経ができ始める。
MT)タラクシカム+MT)ハイペリカム(視床痛の痛みのために長期に使用)
【1回目 2017/10/31】
※Hep./硫化カルシウム、Glon./ニトログリセリン、Mag-c./炭酸マグネシウム、
Stann./錫、Blessing./ブレッシング、Ferr-p./燐酸鉄、Kali-p./燐酸カリウム、
Psor./疥癬、Verat./バイケイソウ
【TBR】レメディー選択根拠
・サポートΦ片麻痺:脳出血の後遺症の片側の麻痺に
・Hep.:便を押し出す力への対処として
・Glon.:腸の蠕動運動の遅滞に
・Mag-c.:便を押し出す力への対処として
・Stann.:便を押し出す力への対処として
・Blessing.:霊的な影響の浄化に
・MT)タラクシカム+MT)ハイペリカム:右半身の針で刺すような痛みのために、
神経の再生に
・Ferr-p.:腸壁の鉄不足での便秘に
・Kali-p.:排便のリズムを整える自律神経の対処として
・Psor.:腸の動きの悪さに
・Verat.:TBR検索の6位、蠕動運動が上手くいかない便秘と被害妄想に
【経過】
・視床痛 右半身の麻痺部分の痛みが軽減し、
精神が穏やかになり施設での人間関係も良好になる。
・便秘 浣腸を使用せずに自力でベット上だが排泄できる日が増える。
2回に1回の頻度で月に5~6回の自然排便がある。
【2回目 2018/3/12】
※Alum./酸化アルミニウム、Phys./カラバルマメ、Zinc-m./塩化亜鉛、
Nux-v./マチンシ、Blessing./ブレッシング、Phos./燐、Tub./人の結核菌、
Lach./ブッシュマスター
【TBR】 レメディー選択根拠
・サポートφ腸内細菌:便秘の問題に、不安になり易い気持ちに
・Alum.:直腸が不活発、直腸に便を押し出す力がないかのよう、
蠕動運動も欠如しているかのよう。便は軟らかく細く、腹筋に
力を入れて非常に頑張って力まないと排出できない
・Phys.:長年の便秘に、浣腸なしでは排便できない腸への対処として
・Zinc-m.:浣腸しないと排便できない ・Nux-v.:便秘、腸の不活発さに
・Blessing.:霊的な影響の浄化に
・MT)タラクシカム+MT)ハイペリカム:右半身の針で刺すような痛みのために、
神経の再生に
・Phos.:強度の便秘に、人間嫌いに
・Tub.:地に足をつけるために
・Lach.:食欲のある便秘に、心気症的
【経過】
・1度/3日程度自力での便の排泄が出来ることが増える。
今までベット上で全て行っていた排泄を3年振りで、介助ありでトイレで
便や尿の排泄が出来るようになる。
・現在の症状 施設での対人関係で怒りがあると便秘になる。頻尿と施設で
受けるいじめへの怒り。
【クライアントへのアドバイス】
毎回、幼少期の母の死への悲しみや義姉からのいじめの感情を感じ切る事
をアドバイスする。
【3回目 2018/7/1】
※Calc-s./石膏、Sec./麦角、Mur-ac./塩酸、Acon./ヨウシュトリカブト、
Iizunayama-sui./飯縄山水、Kali-c./炭酸カリウム、Psor./疥癬、Lepr./らい菌、
Op./阿片
【TBR】 レメディー選択根拠
・JM)クスノキ:臓器の正常化のサポート、魂の傷に
・Calc-s.:手の麻痺が石膏のようにかたまる感じに、麻痺部分の硬さ
・Sec.:感覚麻痺に(膀胱や直腸へ)
・Mur-ac.:幼少期の母の死への悲しみに
・Acon.:恐怖、ガスだけを出したような感じがするが、
実は思いがけず軟便がでているために
・Iizunayama-sui.:霊性の向上のために
・Kali-c.:腸の不活発さに
・Psor.:やりたくない気持ちに
・Lepr.:すぐに横たわりたく休息した気持ちに
・Op.:便秘で便が絶えず滞留し排便排尿が妨げられる、恐怖に
【結果】
・安易に浣腸を使い排便することを止め、本人が腹部のマサージや水分を自ら考え
行うようになる。浣腸をせずに自力での排泄が63日間続く。
・尿は、トイレでの排泄を目指し行っている。1日の内に2回程度はトイレで出ている。
・現実を受け入れ怒りや悲しみからの視床痛も軽減し、笑顔が増える。
・インナーチャイルドを癒すことで施設の職員に自分の嫌だという感情を自ら伝える
ようになり、自分の尊厳を自ら確保できるようになる。
【考察】
脳卒中の後遺症でも、長年かけて神経をサポートし再生することで痛みが軽減したケースだった。そこには、突然麻痺をした悲しみや怒りを受け入れる作業を繰り返し行い5年以上の歳月を要した。自分の状況を受け入れ許すことがき始めてから改善している状態が続くようになった。 サポートΦ片麻痺、サポートΦ腸内細菌、JM)くすのきのチンクチャーが出来たことで劇的に改善していった。一生諦めていたバスタブに入り、3年間全くできなったトイレでの排泄(尿・便)が出来るようになり、本人がその様子をいきいきと話す姿が印象的だった。 特にJM)くすのきは魂の傷に良く作用し、高齢でもインナーチャイルドを癒し始め「幼少期のいじめの恐怖・孤独感・寂しさ・いつも独りぼっちだった」感情から目を背けずに感じられた。その頃から施設でもいじめを受けなくなり、自分の意見や困てっていることを自ら表現できるようになりQOLが向上した。死にたい気持ちもなくなり今は、リハビリを意欲的に取り組んでおり、穏やかに生活できるようになった。